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『漆喰壁』の大きなメリットとは…
漆喰(しっくい)という言葉を、耳にした事がありますか?
漆喰には、大きく分けて二種類あります。
日本の漆喰と、ヨーロッパの漆喰です。
この二つは、使っている材料が異なります。
日本の漆喰は、消石灰×スサ×糊×水
ヨーロッパの漆喰は、消石灰×砂×水
で出来ています。
出来ている材料を聞くと、
え?これだけ??と驚きませんか。
たったこれだけの材料でできているんです。
日本での漆喰塗りの歴史は1300年前まで遡り、
建築材料として使用されたのは平安時代初期の神社仏閣建築からと言われています。
戦国時代には各地で盛んに築城された城郭建築によって、
眩しく輝く白壁が富みと権威の象徴となり、
また機能面では壁としての耐久性の高さと防火性により城郭や財産を守るために使用されました。
その後、江戸時代にはそれまで米のりを入れていた高価な漆喰から、
比較的安価な海藻のりを使った漆喰が登場し
武家屋敷や商家の土蔵などにも使用されるようになり、
漆喰は身近な壁材として長い歴史の中で親しまれてきました。
このように日本の気候風土に適した建築材料として1000年以上の長きにわたり使用されてきました。
漆喰の原料となる石灰石は、日本はもとより世界中で産出され、
石灰モルタルなどの石灰系塗装・結合材が施工された歴史は5000年前まで遡り、
古代エジプトのピラミッド、万里の長城のほか、
ヨーロッパでの歴史は特に古く、古代ギリシャやローマ時代の遺跡にも多くの使用跡がみられます。
では、漆喰にはどんな特徴があるのでしょうか。
その1.
二酸化炭素と反応し固まるため、
その際一緒に空気中に浮遊している揮発性有機化合物も一緒に吸着するため、
シックハウスに効果があると言われています。
それだけではなく、脱臭効果も優れています。
消石灰の反応は、石灰が石灰岩に戻っていく過程で起こるため、100年ほどかけて進んでいきます。
そのため、その間吸着する効果も持続するといいます。
その2.
硬化していく中で多孔質(表面に小さな穴がたくさん空いた構造になっている性質のこと)になるため、調湿効果があります。
小さな穴が空くことによって、呼吸できるようになり、湿気を吸ったり吐いたりできるようになるということです。
その3.
石灰がアルカリ性であること
そこから作られる漆喰は、強アルカリ性
強アルカリ性は、殺菌効果が高く、カビの発生を抑制する働きがあります。
昔の人は、代々伝わる家系図や大切なものを保管する際、蔵や押入れにしまっていましたよね。
あれは、蔵の壁や押入れに漆喰が塗られていたからです。
高温多湿の日本にとって漆喰は昔から重宝されており、日本の風土にピッタリなんです。
その4.
燃えにくい防火性
天然の岩や砂を主成分としているため、無機質不燃材のため、防火性に優れています。
その5.
音が響きにくい
塗り重ねられた漆喰の層が、音を効果的に吸収し、余分な反響を軽減してくれます。
5つの特徴からも分かるように、漆喰は私たち日本品の生活に合った素材なのです。
自然のものを上手く使い、暮らしに役立ててきたわけです。
化学物質を使わなくても、
こうした昔ながらの知恵と現代の技術により、限りなく自然に近い状態で生活することができます。
化学の技術が進歩することで、私たちの生活は昔よりも遥かに豊かになりました。
しかし、便利になったことで、犠牲になったものもあるのでは…?
シックハウス症候群に悩まされたり、アトピー性皮膚炎や喘息になってしまったり
出来るだけ自然に近い状態で不自由がないのであれば、その方が望ましいですよね。
漆喰は、そんな願いを叶えてくれる素材の一つです。
お家の中にいて、何か息苦しいな、違和感を感じるなと思っている方は、
是非この機会に漆喰のある暮らしを考えてみてはいかがですか。